そして、勾留は、裁判が終わる又は保釈されるまで期間制限なく継続することになります。公判請求(起訴)から裁判が終わるまでは、最短でも1か月半から2か月程度はかかりますから、身柄拘束による不利益は更に甚大です。
そのため、罪証隠滅のおそれがないなど一定の要件のもとで、保釈が許可される場合があります。保釈とは、保釈保証金を裁判所に納付するのと引き換えに身柄を釈放することです。釈放後、何事もなく裁判が終われば、納付した保釈保証金は還付されますが、逃亡や罪証隠滅がなされた場合には、保釈保証金は没収されます。
保釈保証金額は事案により異なりますが、最低でも150万円以上の納付を求められます。
弁護人は、保釈が許可される条件を整え、また、保釈保証金の納付を円滑に行われるよう配慮して、被告人の早期の身柄解放に取り組みます。
裁判では証拠の取調べがなされ、証拠により被告人が犯罪を犯したことが間違いないと認定された場合でなければ、無罪の判決を言い渡さなければなりません。
他方、証拠により被告人が犯罪を犯したことが間違いないと認定された場合には、有罪判決が言い渡され、法定刑に応じた懲役刑や罰金刑などの刑罰が科されます。ただし、有罪判決には、情状により、執行猶予が付される場合があります。例えば「懲役1年6月、執行猶予3年」というのは、「執行猶予期間の3年間、再度犯罪をしなかった場合には刑務所に行く義務は消滅するが、執行猶予期間に再度の犯罪を行った場合、執行猶予を取消して1年6月の間刑務所に収監する」という意味です。
弁護人は、証拠を検討し、裁判の方針を定めて、証人尋問等必要な証拠調べの請求を行うなどの法廷活動を行います。
当事務所では、刑事事件に精通した弁護士が、事件処理に要する期間や処分・判決の見通しを踏まえた上で、早期に適切な対応を図ります。また、当事務所の弁護士は、裁判員対象事件等の重大事件にも精通しておりますので、裁判員対象事件に関してもご相談ください。